北斗の拳

週刊少年ジャンプの黄金時代を築き上げた立役者であり、今なお新たなファンを獲得し続ける「北斗の拳」。その魅力を紹介します!

北斗の拳とは

北斗の拳は、1983年から1988年まで週刊少年ジャンプで連載された少年漫画です。無敵の拳法『北斗神拳』の正当伝承者・ケンシロウ(パイロット版読切の際は霞拳四郎)が、荒廃した世界で虐げられても“努力”し続ける人々を守り、悪党を北斗神拳の奥義で倒し強敵(「とも」と読む)と、拳と拳でしか分かり合えない漢(おとこ)の“友情”を経て“勝利”を掴むという、ジャンプのスローガンである「努力・友情・勝利」を描いた勧善懲悪の格闘物として人気を博しました。数回にわたってアニメ化(テレビ、DVDなど)やゲーム化され、息の長い人気作品として愛され、2001年には続編で「北斗の拳」の前日譚にあたる「蒼天の拳」がコミックバンチで連載が開始されています。フィギュア業界においても北斗の拳のキャラクターは大変人気があります。

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北斗の拳の設定について

本来、北斗の拳はケンシロウとラオウの戦いの決着が付いた時点で連載を終了する予定でしたが、当時のジャンプ編集長の鶴の一声で連載延長が決定しました。その為第二部以降は後付設定が次々と出てきてしまい、「北斗の拳」という物語としての整合性を失うほどでしたがそれでも人気が衰えなかったというエピソードがあります。後に原作者である武論尊氏は「ラオウ編以降のことは覚えていない」とも語っています。新しい設定が次々と登場するのは続編の「蒼天の拳」においても健在です。

乱世に舞い降りた武神! 北斗の拳の男たちを紹介!!

そんな北斗の拳において光を放ち、少年たちの心を掴んできたのは北斗神拳の使い手です。彼らの生き様は未だかつて少年たちの胸の奥に焼き付いています。そんな北斗神拳の男たちを紹介します!

長兄・ラオウ

俗に言う「北斗四兄弟」の長兄に当たる、ケンシロウの義兄です。伝承者に選ばれず義父のリュウケンを倒した後は、自ら「拳王」を名乗り、荒廃した世界の覇者とならんと暴力と恐怖で人々を支配していました。海の向こうの「修羅の国」に双子の兄カイオウと妹サヤカが居たことが後に明らかになっています。ユリアを愛した男の一人でもあり、最終的にケンシロウと互角の戦いを繰り広げ、「我が生涯に一片の悔い無し!」の言葉を遺して帰天しました。誰よりも強く、誇り高いため卑屈な命乞いをするものを許さず、誇りをかけて立ちふさがるものには敬意を払う姿に感銘を受けた少年は少なくありません。常に愛馬・黒王号の背に乗り、遠近法を無視した巨大さでその威厳を見せ付けています。

次兄・トキ

ラオウの実弟にしてケンシロウの義兄です。北斗四兄弟の中でも最も優しく、華麗な拳の持ち主でもあり、ラオウやジャギが一目置くほどでした。しかし、ケンシロウとユリアを守るため被爆してしまい、病に冒されてしまいます。奇跡の村で診療に当たっていたのですが、拳王の配下となったアミバの策略によってカサンドラに収監されていました。ケンシロウの手によってカサンドラから救出された後はケンシロウの力となり、かつて憧れた兄であり止めるべき相手となったラオウに挑みますが敗北してしまいます。得意技は一切の苦痛を与えることなく倒す有情拳で、ラオウの剛の拳に対し柔の拳を使うことが心優しきトキの特徴として描かれていました。

三男・ジャギ

ケンシロウの義兄で、修行中も卑怯卑劣の極みを尽くしたため北斗神拳正当伝承者に選ばれなかったことに業を煮やし、ケンシロウに正当継承者を辞退するよう脅しに行ったのですがケンシロウの反撃によって顔面を破壊され、鉄仮面を装着していなければならない姿にされてしまいました。後に胸に七つの傷を付けてケンシロウを装い悪行の限りを尽くしたのですが、ケンシロウの手によって葬られました。含み針・ショットガン・ガソリンを駆使し、南斗聖拳を操るなどの多芸ぶりを発揮しましたがその性根ゆえにケンシロウに勝つことは出来ませんでした。「おまえら、俺の名前を言ってみろ〜!」「兄より優れた弟などいねぇ〜!」などの名台詞を残しました。

末子・ケンシロウ

本編の主人公にして北斗四兄弟の末子、そして第六十四代北斗神拳正当伝承者でもあります。恋人であるユリアを南斗聖拳の使い手・シンに奪われ胸に七つの傷を付けられたことからシンを追いかける旅に出ます。その旅の中で弟分のバットと妹的な存在のリンに出会い、弱者を食い物にする悪党に対する非情さを身につけ、遂にはシンを打倒します。しかし、戦いはなおも続きユリアを巡るラオウとの戦いへと進んでいくことになります。

北斗の拳を彩った名勝負! ベストバウト・オブ・北斗の拳五番勝負!!

北斗の拳を語る上で外せないのが漢たちの戦いです。愛するもののために命を掛けて戦う姿こそが、北斗の拳の最大の魅力でもあります。そんな名勝負を見ていきましょう。

ケンシロウVSシン

ケンシロウ最初の強敵(とも)との戦いがこのシン戦です。愛する者を奪った怒りを爆発させるケンシロウと愛する者を守るために戦ったシンの戦いは熾烈を極め、遂にはケンシロウの北斗十字斬によって決着が付くのです。しかし、ユリアは既にシンの元には居なかった(後に南斗六聖拳最後の将として登場)のでした。シンはユリアの命を奪ったという汚名を着てまでユリアをラオウの手から守り、ケンシロウと戦ったのです。そのことを知ったケンシロウは「同じ女性を愛した男」としてシンを許し、シンもまた自らの手で戦いに決着をつけたのでした。北斗の拳のテーマが「愛」であることを示す、エピソードの一つです。

レイVSユダ

南斗六聖拳の一つ南斗水鳥拳の使い手で、人の為に命を懸ける宿命を持つ「義星」の男・レイと、同じく南斗六聖拳の一つ南斗紅鶴拳の使い手にして知略と裏切りを司る「妖星」の男・ユダとの戦いは、レイの愛した女性・マミヤのためのものでした。ラオウに秘孔・新血愁を突かれ余命僅かとなったレイはその残り少ない命を燃やし、南斗六聖拳分裂の引き金を引いた宿敵でマミヤの幸せを奪ったユダとの戦いに臨むのです。しかし、ユダの誇る知略によって残り少ない時間を奪われ、ケンシロウとトキの助けでようやくユダの前に立ったレイは全力を尽くし、奥義・飛翔白麗でユダを討ち果たしたのでした。そしてユダは今際の際にレイの美しい技に嫉妬していたことを告白し、自らが認めた男の腕の中で息絶えたのでした。この戦いの後、レイは誰にも最期の姿を見せぬために納屋に入り、火を放ち天に帰りました。レイの強烈な生き様は、少年たちの心に大きなものを確かに遺していったのでした。北斗の拳屈指の名エピソードです。

ケンシロウVSサウザー

南斗六聖拳最強の南斗鳳凰拳の使い手にして全てをその手に握らんとする「将星」の男サウザーとの戦いです。この戦いは二度に渡って行われ一戦目はサウザーの『肉体の秘密』によって北斗神拳の要である経絡秘孔を封じられたケンシロウが敗北、そして二戦目は幼いケンシロウの命と引き換えに光を捨てた、仁星の宿命を持つ南斗白鷺拳の使い手シュウの最期を胸に刻み付けたケンシロウが再びサウザーに立ち向かったのです。肉体の秘密を解き明かしたケンシロウに対し、サウザーは南斗鳳凰拳の奥義である構え・天翔十字鳳で立ち向かいました。かつて、自らの手で命を奪ってしまった師匠・オウガイのために作らせた「聖帝十字陵」での戦いは壮絶を極め、ケンシロウの放った北斗有情猛翔破によってサウザーはかつて憎んだ愛を取り戻し、十字陵と最期を共にしたのでした。この戦いはサウザーの名台詞「退かぬ! 媚びぬ! 省みぬ!」「愛ゆえに悲しまねばならぬならば、愛などいらぬ!」などと共に語られる、北斗の拳の名エピソードとなっています。

トキVSラオウ

漢として、弟としてラオウを止めるために立ち上がったトキと覇道の完成のために戦いに臨むラオウの戦いは二度行われました。一度目は痛み分け、二度目は二人の思い出の地で行われました。トキの柔の拳と、ラオウの剛の拳。「もしトキが病に倒れていなければ負けていた」と語るラオウは、トキがラオウのような剛の拳を得るべく命と引き換えに力を得る秘孔・刹活孔を突いて戦いに臨んでいたことに気付き涙を流すのでした。「まだ俺にも涙が残っていた」と、不運なトキの境遇を悲しみケンシロウとの戦いへの意思を示したのでした。

ケンシロウVSラオウ

北斗の拳の代名詞と言うべき最高の戦いです。幾多の強敵との戦いを経て成長したケンシロウと、ラオウの最後の戦いはユリアを巡る愛の戦いの終着点でもありました。感情を露わにしなかった幼き日のユリアの笑顔を引き出したのは、ラオウとケンシロウだったのです。愛ゆえに身に付けることが出来る北斗神拳究極奥義・無想転生は一切の技を無意味にし、二人を肉体と精神だけの戦いへと導いたのでした。そして、勝敗を分けたのは強敵(とも)が居たケンシロウと、その余りの強さに敵が居なかったラオウの差でした。病に冒されていたユリアに延命を施していたラオウは、ケンシロウを認め自ら天に還ったのでした。この戦いは、暴力の空しさと愛の素晴らしさを拳王の配下たちに知らしめ新たな時代の幕開けともなったのでした。これが、北斗の拳第一部の全てでもあります。


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