天候不順などで野菜価格が高騰したとき、庶民の味方として脚光を浴びるのがもやしです。野菜の命の根源である種から生まれるもやしは、栄養価も高く農薬を使う必要が無いため安全でヘルシーな野菜として、愛されています。また、「もやし」にはもう一つの意味があります。それがおシ酉や味噌の醸造に必要な「麹(こうじ)」です。その二つの「もやし」を解説していきましょう!
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野菜のもやしは、「スプラウト」と呼ばれる豆から発芽した新芽のことを言います。このスプラウトにあたる野菜にはもやしの他に芽キャベツやブロッコリー、かいわれ大根などが含まれます。このスプラウトは、豆や種に含まれる各種ビタミン・たんぱく質などの栄養分が発芽によって高められた状態で摂取することが出来るので、栄養価もコスト面でも優れた食品なのです。また、もやしは漢字で書くと「萌やし」で、若葉や新芽が息吹く様子を表した「萌」の字が使われています。
市場に流通しているもやしは、豆を発芽させたものです。基本的には大豆や緑豆にブラックマッペという緑豆の一種を発芽させたもやしが主流となっています。また、1980年代の健康食品ブームで出回ったアルファルファもマメ科の植物であるムラサキウマゴヤシのスプラウトで、もやしの一種と言えます。また、郷ひろみのCMで知られる雪国まいたけでは、「こしひかり」の名産地として知られる魚沼の水を使った「雪国もやし」を大々的に宣伝し売り出しています。
もやしは主にアジア方面で広く使われている野菜です。韓国ではナムルと呼ばれるごま油を使った野菜の和え物に、沖縄ではチャンプルー料理の具材に使われます。中国ではもやしの根と芽を取り除いて歯ざわりを良くして料理に使うのが一般的です。日本では野菜炒めや鍋物の具材として使うのが一般的で、札幌ラーメンをはじめとする味噌ラーメンには欠かせない具材の一つとされています。
そんな栄養豊富でさまざまな使い道のあるもやしは家庭でも育てることが出来ます。もやしの栽培法を簡単に説明させていただきます。
市販されている豆の中には熱処理が加えられて発芽しにくいものがあります。もやしを育てるためには、乾燥処理のみが加えられているものを選びましょう。
カビが生えたりしないように、流水で豆を洗い流しましょう。ここで充分に洗わないともやしになった時、味が悪くなります。
ボウルなどに豆を入れ、水を充分に吸わせます。一昼夜ほど置いておくと充分に豆が水を吸ってくれます。この時水面に浮かんできた豆は発芽しないものなので取り除いてしまって構いません。
水を充分に吸わせた豆は瓶などの容器に入れて育てます。注意する点は、発芽してもやしになった豆は発芽前の10倍ほどの体積になるので容器一杯に詰めてしまう必要はありません。
植物は光を受けて育ちますが、光の無い所では光のある方を目指して芽が伸びる習性をもっています。この習性を利用してもやしを育てるので、光の当たらない場所か覆いをかぶせるなどして光を遮断してください。
発芽した豆は容器に入れたまま水洗いします。一日に2〜3回程度行えば充分でしょう。適当な長さまで成長したらもやしの収穫時期です。
麹は古来より味噌や醤油や日本シ酉などの発酵食品を生み出す上で重要な役割を果たしてきたものです。コウジカビと呼ばれる有益なカビを米ぬかなどに付着させ、繁殖させて有益な酵素などを生み出させたものを種麹といいます。この種麹を生み出す過程でコウジカビがもやしのようにニョキニョキと生えてくるので、種麹は別名「もやし」と呼ばれています。麹はデンプン質をブドウ糖に変化させる役割やたんぱく質をアミノ酸にする役割を持ち、日本料理の味付けに欠かせない発酵食品を生み出す上では無くてはならない存在なのです。麹を使用した醸造法は、発見されている文献などから平安時代には既にあったことがわかっています。
「もやしもん」は、講談社の漫画雑誌「イブニング」で連載されている石川雅之氏の漫画です。タイトルの「もやしもん」は、野菜のもやしではなく種麹のもやしを指しています。内容は、菌が見える能力を持った種麹屋の息子・沢木が幼馴染と共に農業大学に入学して、発酵や微生物の研究をしていくと言うストーリーなのですが、沢木の目に見える菌は全て擬人化された可愛らしい姿になって見えるという特徴があります。また、登場する菌は全て会話することができ、様々な脚注を解説する役割までも持っています。また菌たちは、「かもす(醸す)ぞ」という口癖をもち、発酵だけでなく腐敗なども行う性質を示しているのが人気を博しています。
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